ASPARA BACON

映画と音楽が好きです、嘘です。
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RIZE
評価:
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エイベックス・トラックス
¥ 2,198
(2006-08-02)

これはもう今まで観た映画で一番印象に残っていて、そして忘れちゃいけない映画だと思ってます。

アメリカ・サウスセントラルからブームを起こしたクランプというダンスの一ジャンルを踊る若者たちを追った、ドキュメンタリータッチの映画です。一応存在はするダンサーなのでモキュメンタリーではないのかな。


ここで少しクランプの歴史をば。
アメリカ・サウスセントラルは黒人居住地区だった歴史を持つロサンゼルスの一区。ヒスパニックやコリアンアメリカンが移住してきた現代となっても黒人の割合が圧倒的に多く、黒人差別に対する重層的な怒りが渦巻く治安の悪い世界です。
無差別に銃弾が飛び交い、ギャングが牛耳るような地域で若者が生き残るためには、自らもギャングとなって闇の部分を身にまとうか、その闇に埋もれないように断固とした心強い何かを持つしかない。

ヤクの売人をしていた前科を持つトミー・ザ・クラウンは慈善事業として道化してダンスを踊り、ひとびとに笑顔を届けた。もちろん街じゅうで人気者となり、町の誰かの誕生日パーティーにさえ笑顔で応え、毎回違ったエンターテイメントを提供していた。トミーザクラウンは町のカリスマとなり、クラウンダンスの先駆者として多くの弟子もかかえ、怒りの渦巻く町で人々に笑顔を届け続けた。
クラウンダンスの対抗勢力として、弟子のひとり:タイト・アイズによりクランプはうみだされた。クランプは、生きるための踊り。怒り、憤り、不安、恐怖、私たちには到底理解しえない感情を全身でぶつける。それは誰への憎しみでもなく放たれた銃弾と同じ。トレーラーではよく分からないけど、それはもう暴動に近い。

もちろんクラウンダンス一派とクランプダンスは相いれない。トミー・ザ・クラウンの家は襲撃され、緊張状態は続いたまま、クランプとクラウン一派のダンスバトルが始まる。


Rizeのトレーラー。(奇抜なお化粧しているのがクラウン一派です)



この映画の何が凄いかって、もちろんダンスはべらぼうにかっこいいのですが、黒人として生まれ劣悪な環境に生きる若者たちの魂の叫びに近いダンスを見せつけられ、私たちはスクリーンの前で呆然と立ち尽くすことしかできないんですね。
「黒人差別やめてね憐れんでね」な文法でもなく、「お前らファッキュー」な文法でもなく、ただそこに彼らの強い様々な感情のみが渦巻いている。

彼らは誰かを恨んでいるわけでもなく、それらが物語られることもない。彼らによって語られる言葉も、我々の方など決して見ていない。感情のみが、彼らの語りとダンスによって切り取られ描かれている。
だからこそぐっとくるし、我々の様々な感情を引き出すし、それでいて我々には理解できず、どうすることもできない。「黒人かわいそうだなすごいな」なんかじゃなく、なにも理解できず何もすることができない自分自身への衝撃を与えられる。いい映画だったと思います。

日本でも数年前クランプブームは起こりましたが、ショーダンスしか踊ることのできない我々には本当の意味で踊れないダンスですね。身体面以前の問題で。


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